5月7日
カトマンズは刺繍が有名なんか知らんけど
街中には刺繍屋がいっぱいある
僕らの泊まってるホテルからメインの道に抜ける
舗装されてない細い道にも1軒の刺繍屋があった
そこにはネパール人ではなくアメリカ人のようなおっちゃんがいて
僕らが通ると顔を斜めにしてアメリカ人俳優のやるような笑顔を見せてくれた
僕らは客ではなかったし、その人と話したこともなかったけど
僕らが通ると、ミシンでドドドってやってる最中でも人と話してるときでも
必ず僕らを見つけて笑いかけてくれた
だから僕はその人に好印象を持っていた
「ネパールは刺繍安いし、有名やし、バックパックや服に入れれば
自分のオリジナルになっていいかもしれないですね」
オッキーと藍とそんな話をしたら自分のバックパックに刺繍入れたくなって
バックパックから荷物を取り出して刺繍屋に飛んでいった
行き先はもちろんアメリカんなおっちゃんの所。
ただ自分のバックパックのトップの所に刺繍できるか分からんかったし、
どういう刺繍するかも決まってなかったし、値段もどんなもんか知らんかったから
とりあえず話だけ聞きにいった
ハイ、と言って店に入っていくといつものアメリカんな笑顔を見せてくれた
「ここに刺繍入れたいんだけどできる?」
「なんて入れたいの?」
「う・・・ん。SAL IGとかってできる?」
「もちろん。何色がいい?」
「・・・白かなぁ。っていうかちょっと待って!これお願いしたらいくら?」
「100ルピー(120円)かな」
「100ルピー?? え、それって一文字で?」
「いや全部でだよ」
「え、時間はどれくらいかかるの?」
「ん、2~3分でできるよ」
どぅひゃーって感じだった
まず値段。安すぎじゃね??
ネパールやで安いって言っても500~1000ルピーくらいするかと思っとった
でも記念になるし自分のオリジナルのバックパックになってカッコいいから
それくらい払ってもいいかなって思っとった
それが全部で100ルピーって・・・。
日本円で120円やよ!?
缶ジュース一本分やよ!?
そんな安くていいの?って感じやった
そんでもって早くね?
普通に一晩預けて次の日に受け取るくらいやと思っとったのに
2~3分って。
全然その場でやるつもりやなかったけど
驚愕的な安さとスピードに大興奮しちゃって思わずその場で頼んでしまった
アメリカんなおっちゃんはチャコペンでかんたんに下書きしたかと思うと
すぐにミシンにセットしてすぐに縫い始めた
え、もっと緊張とかためらいとかないの?って
思うくらいしょっぱからガンガンにミシンをまわした
そしたら機械に予めプログラムしてあるかのように
ミシンが動いていき・・・、いや違うな
おっちゃんがバックパックを動かしていき
一瞬で「S」を縫い終えた
ほんとに一瞬でワープロ文字のような「S」が僕のバックパックに縫われ、
間髪入らず、「A」も「L」も縫われていった
そんであっという間に「SAL IG」の5文字が終わった
ほんとに2~3分のことだった





一瞬でやったわりにきれいに縫われていてマジ職人芸だと思った
「ありがとう!超すげーよ!超ナイスだよ」
と言うといつものアメリカんな顔をして微笑んでくれた
味をしめた僕はバックパックのトップとパーカーに
SALのロゴを入れてもらった
世界に1つだけの僕のバックパックとパーカー。
超カッコ良くて、超気に入った
パーカー着て、バックパック背負っていろんな人に見せてやりたいな



ちなみにこんなシンプルなものばっかじゃなくて龍とか虎とか
人の顔とかすごい複雑な刺繍も500ルピー、2~3時間でできるらしい
もちろん自分でデザインしたものもOK!
ネパールに行くことがあったら自分だけのオリジナル刺繍を激安価格で
入れてみてはいかがでしょう